2008 |
李容旭 「沈黙の断片」 Lee Yonguk "Fragment of a silence" 開催期間:2008年9月2日(火) 〜 9月20日(土) 開催時間:12:00〜19:00 定休日:月曜日 入場料:無料 パフォーマンス 9月2日(火) 18:00 三浦 恭太郎 + α (サウンドアート) 18:20 伊藤 洋子 詩によるパフォーマンス 18:40 永井 清治 即興音楽 9月7日(日) 17:00 若尾 伊佐子 無音・即興ソロダンス 17:20 河合 孝治 サウンドアート 9月14日(日) 17:00 小川 類 他 (サウンドアート) 9月20日(土) 17:00 永井 清治+Sonic train (サウンドアート) |
個展に寄せて 凡淡水 赤く錆びた立方体 苔むした石は 水によって その表面に 時間の経過を 刻まれたものだ 厳格な立方体は やがて錆びて 朽ち果てて 消えてしまうであろう 硬い石 は 柔軟な苔に覆われ 世界と 触れることがなくなる であろう しかし それらが この世界から 消失 してしまった 感じるのは 人間の5感 でのこと それらは 形 質 をかえて 存在し続ける 分解され 土の一部 水の一部 となって 空に上がり 海に落ち また形を変えて あらわれる ひとが 生まれ落つるとき そこには 言葉 世界 がすでにある 生れ落ちる 時間も 場所も 選ぶことは出来ず どのような素養をもつ 人間として 生まれるかも 選ぶことは出来ない 自分以外の人間と 関わりをもって 生きねばならず ひとは 誰と出会い 誰と出会わない それも 選ぶことができない そして 自分に至るまでの 歴史を知り 初めて 歩みを 決めることが出来る やがて さまざまな 人格を持つ者として 多様な人間は地球の あちらこちらで 生を営む 本来 自然の一部であった 人間は 意識と知性によって 自然を理解することを望み 自然の中から ざまざまな物を 抽出し それらの 形 質をかえて 人工物を作り上げた そんな人間の業は 自然と対立するものでは なく 自然の なかの出来事の一つとして あってほしい 日々の変化は 多様な人間同士が共存できるための 変化で あってほしい |
作品タイトル:沈黙の断片 -Fragment of a silence- 制作年:2008年8月 素材:木、水、液晶モニター、映像他 インスタレーション: 何かが怪しい時代である。本気でこの先、生き延びられるかを考えなければならないのではと思う。夏の雨の降り方一つを見ていてもそうだ。この事はみな感 じているようでなお怖い。 僧侶玄侑宗久はいう。「解決のつかない問題や、やりきれない現実って、世の中にものすごくありますよね。でも人って、そうしたものを何とかのみこんで、進 んでいくしかない」 そう。進んでいくしかないのだ。命があるかぎり。 「沈黙の断片」 -Fragment of a silence- もう何もかも信じられない時代だ。 一瞬にして全てが壊される恐怖。 あすの保証書はどこにも見つからず。 今日の意味は明日(あす)からは見出せない。 夢を見る。 川につづく小池。 底の青空に心が躍る。 生と死の切れ目。 。。。 夢を見る。 それは果てしない深遠の中。 。。。 僕らの旅はつづく。 それは権利 よりは義務に近い。一寸だけの微笑を忘れずに |
プロフィール 李容旭 Lee Yong uk (韓国・日本) 映像、現代美術 韓国烏山生まれ。小学校から大学までは港町釜山で暮らす。 1990年来日。コンピュータのアルゴリズムを学び、CG会社にてCGデザイナ修行。デジタルテクノロジーとの格闘の日々を送る。1997年大学院にて映 像作家松本俊夫と出会いすばらしき表現の世界を知る。1999年から各種美術展に映像をベースとした造形、平面作品を制作出品。2005年初個展以来、映 像と各メディアのクロスによる表現のあり方に注目し、「クロスメディア」という概念を考えている。インターメディア、マルチメディアを超えていく、メディ ア間の往来が生み出す新しい表現の可能性、デジタルテクノロジー、映像はその基盤を支える。最近は音楽家・身体表現者とのコラボレーションも多く、空間の 中の映像の展開に強く惹かれている。 学際的にも論文、共著多数、国際シンポジウム、研究会などのオーガナイザとして積極的に活動している。東京工芸大学芸術学部映像学科准教授。 2007年新展美術協会国際賞受賞 2008年新展美術協会美術評論家賞受賞 個展 2008年9月 SAKuRA GALLERY 清澄白河 東京 2008年2月 ギャラリー DECCO 御宿町 千葉県 2007年3月 Key Gallery 銀座 東京 2006年9月 ギャラリー DECCO 御宿町 千葉県 2005年9月 ギャラリー DECCO 御宿町 千葉県 グループ展 2008年 2月 アジア創造美術展 国立新美術館 4月 国際公募新展 ギャラクシティ・ギャラリー 第3回 ACkid 2008 http://www.geocities.jp/ackid2006/08-ri-1.html 7月 JALLA展 東京都美術館 他30回以上 関連展評リンク集 凡ラマ氏:http://lulurme.blog98.fc2.com/blog-entry-502.html 松田靜心氏:http://gakuseezoo.at.webry.info/200809/article_13.html |