2012

伊阪柊 入江楓 津田活子 松原史奈 松森裕真 村田冬実
「エンカウンタ ENCOUNTER」

開催期間:2012年11月13日(火) 〜 11月21日(水)
開催時間:12:00〜19:00 (最終日は17:00まで)
定休日:月曜日
入場料:無料


遭遇装置としての作品群
"遭遇"する瞬間、邂逅する形態、運動、時間、イメージ、テクスト。
これらが総合して潜む空間への招待。

伊阪柊

窓の向こうに山が佇むのが見える部屋の中で映画を見ていた頃、おそらくその時映画の全体を見ていたのではなく、あるワンシーンのある瞬間にこそ自分の映像 体験の原体験があったのだろう。その近視眼的な物事の知覚方法は映画鑑賞だけでなく、勿論生活の様々なところに適用されていく。そうしたそれぞれの孤立し たまなざしは、やがて場所を離れたまた別の孤立したまなざしへと関係を持とうとし始める。するとそのまなざしはやがてそのまた別のまなざしへとつながる交 通路を建設し始めようとする。そうしてある瞬間を見るために使ったまなざしが、その瞬間と瞬間を結ぶための交通路を作るためのまなざしとして適用し直され ていく。その交通路の材料は様々なものが使用されていくべきで、そこに固執は無用のように思えた。そうした瞬間同士がこの交通路を通ってお互いが接近し合 うその時、その瞬間同士が衝突し合うそのまた瞬間が、またしても仮想的に、あるいは予感的に、はたまた欲望として、まなざしの中に生起し始めた。そうして 様々な事象が仮想現実的な時間と空間双方の中でモンタージュなるものを構成してゆくことで、映画の一秒の瞬間へのまなざしと、その画面の後ろに佇む山体の 一万年の滞留へのまなざしを自身の一つの知覚の中に生成させようとしている。都市と建築、インフラストラクチャーを被写体に、映画表現を探求している。


入江楓

1991年生まれで、現在20歳です。
6歳の時に始めた舞台演劇の経験を元に、2009年夏からパフォーマンスや写真作品などを制作しています。
自己認識を根源に、当初は空間認知や身体の擬態性に興味がありましたが、現在は「私」と「(台本上などの)役」の境界線をテーマにしています。
私とは一体どこまで続いていくのか、他者性が生まれるのはいつなのか。役という存在によって跳ね返される自己を、今回は映像で捉えたいと考えています。


津田活子

1989年生まれ。
東京都世田谷区出身。
都立芸術高校デザインコースを卒業後、2008年東京芸術大学先端芸術表現科入学。
写 真に撮ることで留まり生まれる輪郭線に興味を持ち制作しています。肉眼では揺れ動き確固とした形には見ることが叶わない輪郭線を写真に撮り、動いている時 には気づけず見ることができないシルエットになる発見の驚きや、そういった輪郭線同士が平面の上で別の形を導き出す錯覚に近い感覚を大切にしています。ま た、チープなものや古いもの、文具や包装紙など身近で安価なものなどの素材を手に馴染むサイズの冊子型に束ねてまとめる作品、ドローイングなどの制作もし ています。


松原史奈

言葉の不可能性と可能性への疑問を起点として、立体作品や写真作品を制作している。言葉 / 言語以前のイメージが生成される過程や、イメージや言語、文化等の様々な要因が無意識下で知覚や認識に影響を与えることに関心があり、現在は言語を持たな い太古の人類がどのように世界を見ていたのかを探るため、乳児の知覚獲得 / 言語獲得についてのリサーチを行っている。
主な活動『ストリート! 2012』展 2010年12月 上野駅 Breakstation ギャラリー


松森裕真

1990年7月8日生まれ。
2009年取手松陽高等学校 美術科卒業。
2010年東京藝術大学 先端芸術表現科入学。
高校時代、男子4人、三年間クラスの変わらない環境に悩み、その中での人間関係のいざこざから解放されたいと、消失衝動を抱き「意識のみの存在=ゴース ト」をテーマに意識と身体の関係について考えています。最近の制作で「自身の中の自分達の境界」や「身体ごと輪郭をスルーし他者と交流する」などという事 柄を取り扱って、主に立体作品を制作しています。「言語やメディアを介さないコミュニケーション」にも興味があり考えています。


村田冬実

1990年生まれ。東京芸術大学先端芸術表現科 学部3年在籍。
一度頭の中の意識から離れた事柄を再び思い出す行為に強い興味を抱く。記憶が存在する在り処が「身体」「頭」「その狭間」であると考え、それらを漂う記憶 に触れるようなものは何かを考えながら製作活動を続けている。
現在はそれが意識の辿りつけない身体の深層に有ると考え、あらゆる感覚を伝って感知された身体的な記憶を視覚を通して再び全身の感覚で認識出来るような写 真が撮りたいと考えている。映像作品も共に制作中。
過去の主な展覧会/取手ARTPATH2010(2010年 東京藝術大学取手校地)、HUMONIUM 映像上映会(2011年 下高井戸シネマ)、取手ARTPATH2011(2011年 東京藝術大学取手校地)